2.日常生活|側弯症と子供|脊柱側弯症(側湾症)|東京都新宿区・柳沢療法研究所

側弯症と子供

日常生活

経過観察中の生活

まずは冷静に

お子さんが側弯症と診断された後、経過観察中をどう過ごせばよいのかを考えてみましょう。大事なのは、「脊柱側弯症」という病名を告げられても、あまりうろたえずに、とりあえず落ち着いて冷静になっていただきたいということです。私の所に電話をされるお母さん方の中には、「どうしたらいいのだろう」といった不安やいても立ってもいられない様子が、その声からだけでも伝わってくる方が大勢いらっしゃいます。お気持ちはわかりますが、側弯症は難病ではあっても命にかかわる病気ではありませんので、どうか落ち着いて下さい。その上で、長期戦を覚悟してください。側弯症との付き合いは長期戦になります。

日常の姿勢を注意

まず日常の姿勢、特に食事中や勉強をしている時のお子さんの姿勢です。私の所にお子さんを連れていらっしゃるお母さん方のほぼ全員が、「(お子さんの)姿勢が悪いから」とおっしゃいます。お母さんはお子さんの姿勢の悪さを認識されている方が多いのです。

そこで、認識しているだけでなく、気が付かれたら姿勢を修正するよう指導してあげてください。時には体に直接触れて修正してあげてください。たとえお子さんにうるさがられてもです。

特に、座り方には気を配って下さい。椅子に座る姿勢が悪いお子さんは多くいらっしゃいます。余談になりますが、日本が欧米から椅子の文化を取り入れた時、そのハードウエア(椅子やテーブル)は取り入れましたが、ソフトウエア(座り方や、その姿勢)までは取り入れませんでした。欧米人は幼少のころから食事をする時の姿勢を厳しく躾けられるそうです。欧米人の姿勢がいいのは、そういう文化の中に育って、背筋が鍛えられていることにあるのかもしれません。

それから、寝具についても質問を頂く事が多いのですが、寝具は体が沈み込むような柔らかすぎるマットでなければ、あまり神経質にならなくてもいいと思います。枕は、高すぎないものであればいいでしょう。寝る姿勢については、子供は動き回りますので、どうしようもありません。

学校生活

通学鞄はリュック形式で

私が気になっているのは、中学生になってからの通学鞄です。多くの学校が、ショルダーバッグ形式の片方の肩に掛ける鞄を採用しているからです。小学校のうちはランドセルなので、重さが両方の肩に均等に掛かるので良いのですが、ショルダーバッグだと鞄の重みが片方の肩にのみかかることになります。しかも、習慣で常に同じ側の肩に掛けるようになります。

教科書をいっぱい詰め込んだ通学鞄はかなりの重量になります。これを常に一方の肩に掛けて通学することは、側弯症の悪化を招きやすい大きな要因になります。私は、中学生やこれから中学に上がる子供たちには、必ず通学鞄のことを聞きます。可能であればランドセルのように背負うことができるリュックサックが望ましいのですが、なかなか容易な問題ではありません。中には、「リュックも可能です」とか「手さげ鞄ですが、取っ手が長いのでリュック背負いも可能です」というお子さんもいるので、そうして下さいと言っています。

学校への交渉

どちらもできない方には、「先生に事情を話してリュックでの通学を許可してもらえないだろうか」とか「教科書を2セット購入して1セットを学校に置いておいてはどうか」と提案するのですが、「規則で決まっていて無理」だとか「学校に教科書を置いておくと先生に叱られます」とのことで、たいていは没になります。

ある研修会の受講者仲間に、校長先生を定年退職された方がいらっしゃいました。私はこれらのことを話して、学校側の誠意のなさをその方に愚痴ってみましたら、「学校とはそういう所で、融通が利かないんですよ」とおっしゃられていました。

ですから、お子さんが先生に交渉するというのは、現実的には無理があるでしょう。親御さんが病院の診断書を持って先生に交渉に行かれれば、あるいは許可が出るかもしれません。理想を言えば、整形外科の先生にお願いして手紙を書いてもらえるといいのでしょうが、現実問題そこまでは望めないでしょう。学校の先生にしたところで、「脊柱側弯症」という病名ぐらいは、最近では集団検診が普及してきましたので見聞きしていらっしゃるこでしょうが、詳細についての知識は持っていらっしゃらないでしょう。かく言う私ですら、この仕事を始めてから初めて知った次第ですから、親御さんが出向いても理解していただけないかもしれません。

また、この年頃の子供にとって、他人と違う格好をしたり、行動をとることは非常に勇気のいることです。下手をしたらいじめに遭いかねないという微妙な問題も絡んできます。

工夫して乗り切る

そうした状況を踏まえての現実的な対応についてですが、手提げ鞄の場合は、いつも同じ側の手で持つようにせずに時々反対の手に持ち替えるとか、ショルダーバッグ形式の鞄でも、いつも同じ側の肩に掛けずに毎日掛ける肩を変えるとか、あるいはたすき掛けにするなどといったことが考えられます。何とか工夫して、この時期を乗り切っていただきたいと願うばかりです。

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