4.装具(コルセット)|側弯症と子供|脊柱側弯症(側湾症)|東京都新宿区・柳沢療法研究所

側弯症と子供

装具(コルセット)

コルセットの効果

コルセットについて

装具(コルセット)に関して私が接した例などを記します。骨の弯曲が25度を超えると、病院では装具を装着するようにと言われます。「24時間着けているように」とか、「寝ている間着けるように」とか、その判断基準は私にはよく分かりませんが病院または医師によって違いがあるようです。装具は、その病院の御用達の装具屋さんが型をとって体のラインに沿うように作ります。だいたい脇の下から腰までをすっぽりと覆うような形状で、材質はプラスチックかそれに類する固い枠組みと、体に接する内側は柔らかな素材で内貼りされています。背中の出っ張った部分には、それを押し込むようパットが付けられるようです。最近では、体を覆う部分を少なくして装着時の負担を軽減する工夫をされたものも出てきているようです。

側弯症の進行を抑制

装具は、上半身を伸ばした状態で動かないように固定して、側弯がこれ以上悪化するのを食い止めようという目的で装着します。側弯を改善する効果は無いようですが、側弯の悪化を抑える効果は期待できるようです。何度も触れますが、学校での側弯症の集団検診の意義は、この装具を付けるべき子供を早期発見して装具を付けてもらい、手術しなくてはならないほどに悪化するのを水際で食い止めるということに尽きると、私は考えています。実際に、それが効果を上げて極端に悪化してしまう子供が少なくなってきているのは、確かなようです。

成長に合わせた微調整

成長期の子供が付けるわけですから、角が体に当たって痛みが出るなどの不具合が生じないよう、体の成長に合わせて装具の調整も必要です。これを、成長が止まるまで着けているように言われます。個人差はありますが、だいたい高校生の半ばぐらいまででしょうか。これを付けると、スポーツはできません。体育の時間は、保健の先生に脱着をお願いしている子が多いようです。というのも、多くの装具が着脱の金具が背中に付いており、自分では操作できないからです。私は、体育のある日ぐらいは学校に着けていかなくてもいいのではと思うのですが。

コルセット使用の実際

途中で挫折する子供も

装具屋さんの腕の違いもあるのでしょうか。よく馴染んで平気なお子さんがいるかと思うと、どうしても着けていられないというお子さんもいます。私は、大人の側弯症の患者さんがいらっしゃると、子供の頃に装具を付けていらしゃったかどうかを伺います。着けていた方は、中学の頃とか高校の頃に2〜3年間着けていましたとおっしゃる方と、着けていたが半年や1ヶ月で挫折しましたとおっしゃる方に分かれます。

子供にとっての負担

ある時、秋田県在住の方から、「小学生の孫が側弯症で装具を付けさせられたのですが、大きくて重くて、転んだら一人では起き上がれないんです。遠方なので伺うことができないのですが、何とかならないでしょうか。」という相談をいただいたことがありました。お越しいただけなくては私には何もして差し上げることは出来ませんでしたが、小さな子供が装具を付けるのは大変なことなんだと思いました。

高校2年生の女の子が「首まで固定する大きな装具を寝ている間着けるように言われているのですが、苦しくてとても眠れません」と訴えていらっしゃったことがありました。幸い一回の治療で効果が出て、その夜からその装具を付けずに済みました。それ以降、高校の2年間、大学の4年間と通っていただき、悪化することなく、無事社会人となられました。

使用の判断

コルセットを付けながらの通院

装具を付けるボーダーラインである、25度の中学1年生の女の子が母親に連れられてきました。そのお子さんは、中学2年生の頃になって装具を付けました。

私の所で母親が装具を外し、治療後にまた着けて帰ります。これを中学の二年間続けました。私は装具は着けなくても大丈夫ですよと申しましたが、その子は珍しく装具に馴染んで、着けていた方が姿勢を良くしていられて落ち着く、というのでそのようにしていただきました。

厳密にいうと、私の治療後は体のラインが変化するので、それに合わせて装具を微調整する必要があるのではと思いましたが、まあ面倒ですし、大きな悪影響もないだろうと思い、そのままで続けていただいておりました。高校生になってほぼ大人の骨格になったので、その子は装具を外しました。するとなぜか、装具を外してからの方が側弯の戻りが少なくなり安定してきました。お母さんが、「あの2年間は何だったのだろうか」とつぶやかれたのが印象に残っています。その子はその後悪化することなく安定して、今は大学生活を謳歌しています。

装具を付けながら治療に通っておられるお子さんは他にもいらっしゃいますが、着けた場合と着けなかった場合との比較はできませんので、どちらが良いのかは結論が出ていません。現時点では患者さんの意思にお任せしています。

「悪化を防ぐため」の装具

小学校に上がったか上がらないかの先天性の側弯症の男児が、母親に連れられて来院されたことがありました。その子はすでに装具を付けていました。側弯も、手術をする角度を大きく上回っていました。当然すでに手術をされていても不思議ではありませんでしたが、その子を診ている病院の先生が、「装具を付けて悪化を防ぎ、できる限り身長が伸びるのを待ってから手術をしましょう」とおっしゃっているとのことでした。今手術をすれば、身長が伸びなくなってしまうからです。手術を勧める先生が多い中で、その時ばかりはその先生の判断に好感を覚えました。

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