ここで、私の治療について少し触れてみたいと思います。子供に対する治療は、大人に対する治療と基本的には一緒です。ただ、年齢、体格に応じて力の入れ方は調整します。
運よく機能性の側弯症であった場合(結構多いです)ほぼ治ります。(病院ではこの場合も「絶対治らない」と言われます。)突発性側弯症であった場合、完治は無理でも、高い確率で改善して差し上げることができます。
通院の頻度ですが、側弯症のケースによっていろいろですが、多いのは、重症の方や戻りやすい方は2週間に1回、軽度の場合や比較的安定していて戻りが少ない方は1か月に1回というペースの方が多いです。
機能性の側弯症で、「治ったならそれでいいのでは?」と思われるかもしれませんが、側弯症になった原因の体の使い方の癖や生活習慣はそのまま残りますので、時間が経つとまた曲がってしまう危険があります。ですから、良い状態を維持していただくためにも月1回程度は通っていただくことをお勧めしています。
よく「何回通ったら治りますか?」と聞かれることが多いですが、突発性側弯症に関しては、他の病気と違って完治というゴールがないのが現状で、出来るだけ長く通ってくださいとしか申しあげられません。
子供の側弯症の場合、親御さんには一応の目安として、骨格が完成する高校の2年生ぐらいまで通って下さいと申し上げております。
インターネットの威力には本当に驚かされます。私の所には、北は北海道から、南は九州、四国まで側弯症の患者さんがいらっしゃいます。時には海外在住の方からお電話をいただき、帰国の折にお立ち寄りになられます。飛行機や新幹線を利用して。日帰りが困難であれば、都内にホテルをとって泊りがけで。患者さんがお子さんの場合には、ご両親と、時には兄弟姉妹も引き連れていらっしゃいます。治療費よりも、往復の旅費やホテル代の方がはるかに高額になってしまわれるでしょうに。
治るかもしれない、と思ったら泊りがけでも出向くことをいとわないという行動力に、こちらのほうが恐縮してしまい、身の引き締まる思いがいたします。